しばらく、二人ともなにも言わなかった。
手をつないでいなければ
一人ぼっちになってしまいそう。
でも、繋いでいる手はあたたかい。
唯一の、人とのつながりのように思えて
もう一度ぎゅっと握り締めた。
「わたし、フられたの。」
雪くんは、わたしの言葉が聞こえていないかのように
なんの反応も示さない。
でも、わたしは続けた。
「ずっと好きだった人で、去年のバレンタインに告白して
オッケーされたときはすごくうれしくて
ずっとずっと、彼に好かれるためだけに頑張った。
・・・・でも、フられた。あっけなく。
理由もわからない。
問いただす気にもならなかった。
理由を聞いたところで、わたしが彼にフられたのは変わらないから。」
すごく冷静に失恋話をしている自分に驚いた。
胸は苦しくなるのに
涙はこみあげてこない。
「あのときはね、彼へのお土産を買った帰り道だったの。
喜んでくれたらいいな~なんて思いながら家族に内緒でお土産を買って戻る途中
いきなりメールが来て『別れよう』って言われた。
一瞬、メールの内容がわからなくてその4文字をただ見てた。
もう、お土産買ったのに。もったいない。
なんて思ってた。
そしたら・・・雪が降ってきたの。」
ここの景色は
あのときのものに似ている。


