わたしたちが歩くのをやめたのは
小さな展望台だった。
木の柵でおおわれた小さなスペースにベンチがちょこんとひとつある。
そのベンチに腰掛けて
雪くんはうつむいた。
手を繋がれているままなので
わたしもその横に腰掛ける。
わたしと目を合わせようとはしないくせに
握っている手に力をこめてくる。
わたしも、離す事なく
そこからの景色を見た。
眼下に広がる雪景色は見事なものだ。
大小さまざまな家がぽつぽつとたっている。
大きなゲレンデも、風景の一つにすぎなくて
ゆらゆら揺れているリフトを見ていると
やけに時間がゆっくりと感じられた。
山々は、綿帽子をかぶって真っ白。
ところどころ見えている枝は黒く見えて、より雪の白さを引き立てている。
真っ白な世界は、なんて幻想的なんだろう・・・。
わたしの住んでいる町では絶対見られない景色だ。
・・・・美しすぎる。
「きれい・・・・。」
それしか言いようがない。
わたしはすぐれた作家でもなければ
ポエマーでもない。
この雪景色のすばらしさを
巧みな言葉で言い表す才能は持っていない。
ただ、綺麗としか言えない。


