「てか、いつから好きだったんだよ、雪!!」
「だから、そんなんじゃないって!」
雪くんの言葉は尽く無視されている。
「もしかして・・・・
前に雪がちょっと言ってた
『雪の中にいたすごくきれいな、おん・・・』
「うわあああああ!!!」
浩太さんの言葉をさえぎるように
雪くんが両手を大きく振りながら叫んだ。
「ゆ、雪・・・くん?」
あまりの大きな声に、みんな黙る。
「もう、行こう。」
雪くんはそれだけ言って
わたしの方を見ずわたしの腕をとった。
そして、1000円札を机におくと
そのまま店をでた。
「おつりはいらないから、絶対追いかけてくるなよ。」
仲間たちを振り返り、それだけ釘をさして。
雪くんに引っ張られながら
ずんずん歩く。
雪くんが歩くたびに髪の毛がゆれて
その拍子にチラッと見える耳は、今もなお赤い。
・・・・どこに行くんだろう?
すごく強引に引っ張られているのに
わたしの腕をつかんでいた手は、いつのまにかわたしの手をつかんでいて
それはすごく優しい。
手袋同士なのに、雪くん自身の体温が伝わってくる。
行き先もわからないのに、
全然不安じゃない。
雪くんの背中をじっと見つめているだけで、安心感に包まれる。


