「行ってらっしゃい」



「行ってきます」



透河と話してから1ヶ月。



おばさんに見送られ、制服姿のあたしは玄関を出る。



でも行くのは学校じゃない。




ごめんなさい、おばさん。



あたしはどうしても知りたい。



バッグの中から一枚の写真を取り出す。



おばさんの留守中に、引き出しから見つけたもの。



あたしとソックリの小さな女の子と。



晴斗とソックリの小さな男の子。




ネットで調べて、やっと見つけたある海岸。



写真の海とソックリの海岸。




そう、向かうのは海。