あの日も夕暮れの公園に、ボールのはずむ音だけが響いていた。
ついさっきまでは小学生達が鬼ごっこをしていたが、五時のチャイムと同時に帰って行った。
悩みがあった。
そんなに大した悩みではなかったけど、部活の事、友達の事、家族の事。
小さく積もった悩みは、俺の心を常に憂鬱にさせた。
気を抜くと、すぐに落ち込んでしまうから。
脳天気って思われがちだけど、意外と抱え込む俺だから。
1人でいると、ため息をついてしまうから。
ため息をついたら幸せが逃げるってよく言うけど、全く嘘でもないと思う。
ため息をつくのは、暗くなるから嫌いだ。
だから悩みは考えずに、ただ白と黒のボールだけを見る、この時間が好きだった。



