「気をつけ、礼!」
ワッと騒がしくなる教室。
「ねぇ、晴……」
「…もういないのか」
沙妃と透河が晴斗を呼び止めようとしたが、もう晴斗は教室にはいなかった。
「もぉ…部活行くの早すぎ」
帰りにアイス食べるの誘おうと思ったのに~、と呟く沙妃。
そんな事はつゆ知らず。
俺はグラウンドに向かっていた。
「こんにちは!」
「よう、晴斗」
先輩に挨拶してから、走り込みを始める。
サッカーが好き。
プロになりたいとかじゃなくて、ただサッカーが好き。
悩んでる時も、迷った時も、サッカーをやれば忘れた。
疲れきるまでボールを追いかけて、疲れたら風呂に入って寝る。
これで悩みや迷いを考えずに済むんだ。



