非難も、悪口も、誤解も。
全部慣れてる。
だけど今日は、ものすごく怖くて……。
それはきっと、晴斗もあたしを一番に思ってくれないと知ってしまったから。
とにかく、今だけでも逃げたくて教室を出た。
みんなの非難からは逃げられなくても……。
ただ今だけは、落ち着く時間が欲しかった。
校門まで走ったところで、
「待てよ、沙妃!」
って声。
さっきまで彰人に話していた声とはまるで違う、ユミの声だ。
「逃げんなよ」
「っ……」
通りかかる生徒たちが、面白いものでも見るようにあたしたちをチラチラと見て行く。
痛いくらいにつかまれた腕に、ユミのキラキラした長い爪が食い込む。
もう、どうでもいい。
そう思った時だった……。



