「雨原くん、面会時間になったわよ」 毎日のように通っていたせいで顔見知りになった看護師に言われ、椅子を立つ。 どんなに後悔しても、広がるのはいつも通りの少し暗い病院の廊下。 コツ、コツ… という音を立てて、薄暗い廊下を歩く。 そして立ち止まったのは205号室。 『多岐川綾』 溢れそうな涙をこらえて、病室に入った。