だけどそんな事言えない。 辛くたって苦しくたって、嘘をつくって決めたんだ。 一度ついた嘘は取り返しがつかなくて 嘘に嘘を塗り重ねていくことを知っていても。 「よくどっちが深いところまで行けるか競争したよな」 「ね…、そうだったね」 「俺いっつも海來に負けてさ~、超悔しかった」 「あはは…」 楽しそうに話す晴斗を、騙したくない。 だけど、あたしは本当の事なんか言えない。 矛盾してる。 そんな想いをどうしていいかわからなくて、ただ作り笑いを浮かべて必死に話を合わせていた。