穂波さんとはあたしのお母さんだ。 「えっ!今何時?」 「20時」 がっつり寝ちゃったな… 夜勤から帰って来たお母さんが寝ているのは当然だ。 「まだムカムカするか?」 「もう大丈夫だよ」 「じゃあ、飯食うか」 「そうだね」 そうして集の手が離れそうになった瞬間、ぎゆっとあたしのほうから握ってしまった。 「あ、…ごめん」 無意識にと言うか。 気がついたらと言うか。 「でも、もう少しだけ、握っていて」