幼なじみじゃイヤなんだ。

* * *

起きた時はもう時計は18時前を示していた。


それも自分で起きたのではなく、お母さんに起こされたから脳細胞は未だ停止したままで。





「あらあら桜。制服しわしわじゃない!」


「あー本当だ」


「早く着替えてお隣にこれを届けて来てね」


「んー?」




渡された風呂敷包みを見て、嫌な予感はした。


家に帰ってお母さんにクラス委員になった事を言ってから寝ちゃったから。





「もしかして……赤飯?」


「そうよ。早く届けて来てね。」


「まさか……クラス委員祝、とかじゃないよね?」


「そうよ。早くしないと流瑠君とこ、ご飯始まっちゃうから。ね。」





……やっぱり…。





「嫌だよ。恥ずかしい。うちは何でもすぐに赤飯炊き過ぎ!」


「いいじゃない。理由はなんであれおいしいんだから」


「じゃあ。恥ずかしいからおすそ分けはやめよう」





そうだよ。なんで“クラス委員”で赤飯なのよ?





「え~。もう流瑠ママに言っちゃったもん」

「……」

「流瑠くんも好きでしょ。だから。ね!あっ!お鍋!お願いね~桜」





お母さんがバタバタと下に降りて行った。