幼なじみじゃイヤなんだ。

「何、今の。何かあったの?」





早苗が怪訝な顔で聞いて来る。





「分かんない」


「『やけた』って?」


「うーん?分かんない。廊下で何か焼いたりしないでしょ?」


「桜が言ってるのは、もしかして、燃やす方の『焼く』?」


「うん。えっ!違うの?」


「さっきの下りしか知らない私でもそっちじゃないと思うけど?」


「ん?」


「桜、まだまだ小学生レベルだね」






早苗が鼻でフッと笑う。



小学生!?


“中学校入りたて”→“小学生”?


降格だよ………酷い。





「…早苗、私も少しメイクしたら大人っぽく見えるかな?」


「そりゃそうでしょ」


「本当!?教えて。メイクの上手な仕方」


「もちろんいいよ。でも急にどうしたの?」


「大人っぽくなりたいから」


「…ふーん」


「…な、なに?」


「大石さぁ、廊下で誰かと喋ってたの?」


「えっ?」