幼なじみじゃイヤなんだ。

髪を整え、周りに誰もいないのを確認してから、両頬をパンパンとたたいた。




気にしない。気にしない。




中学の時からそうだった。


流瑠の近くにいる私はいつも煙たがられて、陰口叩かれるのには慣れてる。






トイレを出て廊下を歩く。






1組の前の廊下に差し掛かった時、2組の前の光景が目に入る。


入学式の日の朝に流瑠と話していた可愛い子が流瑠と話してた。





「あ……」





思わず声が漏れる。





トクン…トクン…トクン……






まるで心音に合わせるかの様にさっきの痛みの波が押し寄せて来た。


気付けば、廊下に人が行き来する中で私は立ち止ってしまっていた。