《はい!やっほー!流瑠?今、ちょうどイルカ館にいる頃?桜ちゃんとはもちろん、まとまったわよね?このお姉さまに一生感謝しなさいよぉ~。元カレのコネ使って、イルカ館の鍵開けさせておいてやったんだからね!それに、恋愛音痴の桜ちゃんには嘘のジンクス吹き込んで、乙女テンション上げておいてやったわよ!ここまでお膳立てしてやったのに、告白のひとつもしてないなんて言ったら、そのへたれっぷりを選挙カーで町中に公表してやるから!知ってると思うけどわたしの元カレには政界の人間もいるんだからね!流瑠、一生感謝を………》






ケータイから20cm程耳を離している流瑠。



そうしてても藍ちゃんのマシンガントークは漏れていて、流瑠にも私にも聞こえている。




藍ちゃんの暴走を止めようと思ったのか、流瑠が口を開いた。




「姉貴、ありがとう」


《や───ん!かわいいっ!そんな素直な流瑠は幼稚園の時以来!キュンってきた!キュンキュンって!!》


「でも、告白は、昨日済ませてた。それにイルカ館は時間がなくて行けなかった。残念!じゃぁな!」


《えぇ───っ!!………ブッ・・ツーツーツー》



藍ちゃんはまだ喋っていたのに、流瑠が通話終了ボタンを押してしまった。


そして、こっちを見る。


ニッと悪戯に笑う流瑠を見て、あっ可愛い。なんて思ってしまった自分。



もう感情のコントロールなんて無理!