幼なじみじゃイヤなんだ。

「言ってくれれば良かったのに…」





バツが悪くなって、口を尖らせてそう言うと、流瑠が、力なく笑う。





「そんなこと、あの頃の桜に言ったらドン引きしたろ?」


「ははは…」





まぁそうかもしれない。

その頃の私は恋とは無縁で、流瑠のことを家族の一員のように思っていたから。





「桜が俺を、幼なじみ以上に思ってないのは知ってたよ。でも、俺のこと頼りにして、大切に思ってくれていることも知ってた。だから、俺の気持ちを押し付ける様な告白をしたら、桜を困らせて泣かせてしまうこともわかっていたから」


「流瑠…」


「桜を泣かせることだけはしたくなかった」





そう言う流瑠の笑顔は、私を包み込むように優しくて、どれだけ大切に想ってくれていたのかが伝わってくる。






「でも、あの頃はそれでも良かったんだ。絶対いつか振り向かせるんだって前向きに思ってたから」


「……」


「俺のことを少しは男だって意識させてから告白しようって決めていた」




私が気付けなかった流瑠の心の中を、不思議な気持ちで聞いていた。