幼稚園の頃までは、私が『好き』と言えば流瑠も『好き』と言ってくれていた。
でも、小学校に入ってからは『女にそんなことを言うのは恥ずかしい』と好きって言ってくれなくなって、
中学校に入ってからは、私が『大好き』って言うと赤くなって照れた後、困惑した顔をするようになった。
そして、私がどんなに『大好き』を連発しても、流瑠がその言葉を返してくれることはなかった。
私がお願いすれば、なんだって叶えてくれる流瑠なのに、『流瑠もいいなよ』って何度強要しても絶対に言わなかった言葉。
だから、その言葉を貰ったことは夢みたいで…
たとえそれが、“ありがとう”の意味でも、幼なじみとしてのものでも、とても嬉しかった。

