頭の中がホワホワしてる。

まるで夢の中にいるみたいに。




「熱っ!!うわーしまった!こ、焦げた!」




本当に夢だったらどうしよう。

あれが夢だったら、あれが夢だったら。





もう一生夢から覚さないで欲しい。




お弁当箱にハンバーグを詰める右手に目線が止まる。






『堂々と繋いでればいい』


『桜と噂になるんだから、俺が困る訳ないだろ?』





『桜…』






耳に残る優しい声、

体が覚えている抱き締められた感触、

流瑠の温かい胸、



早くなる心音。





そして、そして、






『桜、好きだよ』