幼なじみじゃイヤなんだ。

「学習能力ねぇ…」


「そうだよ。だから、私に隙なんてね1mmもないんだからっ」


「ふーん。それはどうかな?」





そう言った瞬間。

流瑠は、繋いでいる私の手を自分の方に引き寄せた。





「わっ!!」





バランスを崩し流瑠の胸に倒れ込んだ私。


一瞬にして流瑠の体温と匂いに包まれる。






「ほーら、隙だらけ」






頭の上から、そんな声が聞こえてくる。






「…流瑠のいじわる」






いつもなら、流瑠のいじわるな声にはいち早く反応して負けじと噛み付くのに…。

今はここから離れたくなくて、流瑠の胸に倒れ込んだまま動けないでいた。