駅から家まで続く道をゆっくり、ゆっくり歩いていく。



家まで後5分。



足取りが重くなるのを感じながら、周りの景色を見渡してみた。


もうすっかり通いなれた道。




高校に入学してから、流瑠と一緒に何度この道を往復しただろう?




2人で駅前の本屋で立ち読みして、大笑いして店員に睨まれたこともあった。


2人で『おなか空いた!ごはんまで待てない!』とファーストフード店のポテトを半分ずつしながら帰った事もあった。




流瑠におごって貰ったアイスクリームショップ。





雪見さんに嫉妬して、手を繋いで帰ったこともあった。






ねぇ、流瑠。



その時どんな気持ちだったの?

どんなこと考えてたの?

その時くらいは、私のことで頭をいっぱいにしてくれた?



好きな子のことを少しの時間、忘れてくれた?