──────────





相澤さんを乗せた電車が僕の視界から姿を消した。




駅のホームには7月の眩しい光が差している。


もう時計は17時になろうかとしているのにうっとうしいほどまだ太陽は明るい。


僕は、その光に眉をしかめながら、彼女の強い意志を持った瞳を思い出す。





『きっとずっと流瑠を好きなのをやめられない』





ついさっきまで、ボロボロ泣いていたくせに。





「“じゃぁ、相澤さんは一生独身だね”って、意地悪く言ってやれば、ひるんだかな?」





往生際悪く、そんな風に独り言を言ってしまう自分に苦笑する。




自分が思っている以上に好きになっていたのかもしれないな。