幼なじみじゃイヤなんだ。

「やっぱりね、私、ちゃんと話さないと…」


「相澤さん!」






今回は指で唇は塞がれなかったけれど、言葉で遮られた。






でも、でも、引けないよ。





「でも、聞いて欲し…」


「ねぇ、それ以上言ったら今度は僕の口で、相澤さんの唇を塞ぐよ。いいの?」







口で唇を!?

キスじゃないそれ!?





「なっ、なっ……っ!?」






激しく動揺してしまった私は、首を思いっきり横に振るのが精一杯で、まったくなにも言えなくなってしまった。




完全に口を閉じた私を見た上坂くんは、






「よし、いい子」






そう言って、

私の頭を撫で顔を覗き込んだ。






「っ…ひゃぁっ!!」






至近距離になった顔が、さっきの上坂くんの言葉を鮮明に浮かび上がらせて、思わず椅子に座った状態のまま後ろへ逃げる。





「…ぷっ!相澤さん可愛い。顔、真っ赤……」





上坂くんが声を殺して笑っている。





すっかり、上坂くんのペースに巻き込まれた私は、心を落ち着かせるために椅子から立ち上がった。






「わ、わ、私、ジュ、ジュースでも買ってくる。か、上坂くんの分も買ってくるから!上坂くんはここにいてね!ひとりで行くから!」





そう、言い終わるや否や教室を飛び出した。