「…ていうか、ごめんね。入学式、流瑠にも恥ずかしい思いさせちゃって」


「別に気にしてねーけど?」


「…うん」


「本当に気にしてねーけど」


「…うん」


「良かったじゃね?」


「ん?」


「隣が俺で」


「え?」






流瑠が泣いている子どもなだめる様に柔らかく笑った。




その笑顔。

私はその笑顔に弱い。




そして、その笑顔が大好き──




私の心の中のもやもやが和らいで行くのを感じる。




その笑顔につられて私の頬が緩んだ時、流瑠が時計を見ながら言った。







「屋上行ってみよっか?」