「えへへっ」





『桜は可愛いよ』だって!





「うふふ」





『桜の笑った顔、可愛いよ』だって!





きゃぁ───────────っ!!





流瑠にこんな風に言ってもらってから何週間か経つのに、暇さえあればあの日の言葉と流瑠の顔を思い出す。




言われたいなって思っていたけれど、

言われてみると、思ってた以上に嬉しいなぁ。

















「一体朝からなんなんだよ、気味悪い!ヘラヘラしてんじゃねぇよ」





気が付けば、寝起きの陸人が牛乳が入ったグラスを片手に、私の向かいの席に座っていた。






「ヘ、ヘラヘラなんて、し、してないもん!」






土曜日の朝、朝ごはんが用意されたダイニングテーブルに向かい合って座る私と陸人。






「してたじゃねぇか。赤い顔して、ニヘラニヘラと」


「し、してないわよ……」





図星のため、語尾が弱くなっていく。