「…うっ、やっぱ、無理!」


「えーっ!何でよ!さっきみたいに言ってよぉ!」


「なっ!?やっぱ聞こえてんじゃねぇか」


「流瑠!さっきみたいに言いなさいよっ!!」


「おどしてまで言わせたいのかよ…」


「…言ってくれないなら、もういいよ……じゃあ、行くね……」





フルートケースを持ち流瑠に背を向ける。





「あっ待て!桜、ええっと…」


「プッ…」


「!?」


「フフフッ!…流瑠ってば、私が怒ったと思った?焦ってるし…流瑠こそ、可愛い!」


「な!?」





振り向いて流瑠の顔を見る。


真っ赤な顔のまま目を見開いてるその姿に、胸がほっこり温まっていく。