「帰りにアイス食べに行こうな!」





ぼんやりと流瑠の顔を見上げたままだった私に流瑠が言った。





「え…覚えてくれてたんだ?」


「当たり前だろ。何回、おごらされてると思ってんだよ」





びっくりする私の顔を見て、流瑠がそう言って笑った。


いつもの笑顔で笑う流瑠。





「ははは、ごめん…」


「だから、1回目のこととか、あんな奴らに言われたこととか気にせずに頑張れ!」


「ありがとう……」





もしかして、流瑠って……





「私が言われた悪口って聞いてたの?」


「え?うん。ちょうど桜をさがしてて、北校舎2階の廊下を歩いていた時に、開いてた窓から聞こえてきたから」


「……そっか、聞いたんだ…」






嫌だな、あんなの聞かれたくなかった。




可愛くないとか、スタイル良くないとか、


胸がどうみてもAとか。




流瑠には聞かれたくなかったな。