幼なじみじゃイヤなんだ。

2人きりになった裏庭。





私はまだ腰が抜けたまま動けない。





流瑠がゆっくりとこちらに歩いて来る。





私の横を何も言わずに通り過ぎた流瑠を思い出して、胸がぎゅってなった。




足音が私の前で止まる。

流瑠がしゃがんだのがわかった。





「泣いてるの?」





大好きな声が近くに聞こえる。





「泣いてなんかないよ」





俯いたままそう答えた。





「じゃあ、こっち見ろよ。桜」


「……」





3日前の充電。



目で追いかけた後ろ姿。


思い出しながら恐る恐る顔を上げる。





「やっぱ、泣いてる」


「え?」





流瑠が私の頬を指で拭う。


私は自分でも気付かない内に涙を流していた。