後悔するのに。

分かってるのに。




その温もりを求めてしまう──





「…え?桜?」


「充電」


「え?」


「充電いっぱいにさせて」





流瑠の背中に回す私の腕。

流瑠に抱き付く私の体。





「…うん」


「頑張るね、私」


「…うん」


「もう、これから先、こんなことしないから…今日だけ…」


「……」


「妹みたいに甘えてばっかりでごめんね」


「……妹…か、」






流瑠の好きな人が私だったらいいのに



温もりに包まれながらそんなありえないことを願っていた。







どれだけ幸せかな?




自分の好きな人が


自分の事を好きになってくれる。





私にはそんなこと、奇跡のように感じる。







でも、そんな奇跡が起これば



どんな幸せを感じられるんだろう……?