「ちょっとばかり自分が背が高いからってバカにしてんでしょ?そうだ!じゃんけんで決着をつけよう!」


「じゃんけん?桜が俺に勝てるわけねぇじゃん。弱いのに…」


「なっ、なんなの?上から目線がムカつくんだけど!」





追いかける私。


逃げながらリビングの方に回る流瑠。





「スキあり!」





よし!私賢い!!




さっと隣にあったソファーに飛び乗り、身長差がなくなった所で、流瑠の正面から、腕を回して、首をホールドし、動けないようにしてもう一方の手でケータイを取った。





「やった!取った!私の作戦勝ち!」





意外に簡単にケータイを離した流瑠。




歓喜の声をあげてから、はたと気が付けば、流瑠の顔が真正面。

さらに至近距離。



鼻がくっつきそうな超至近距離!





「うわっ!」





あまりの驚きに、せっかく奪ったケータイを床に落とし、膝から崩れ落ちた私はそのままソファーに倒れ込んだ。