「ごはんの途中でケータイはダメ」





私のケータイは取り上げられた。





「え!?なにお母さんみたいなこと言ってるのよ!返してよ」





奪い返そうとして椅子から立ち上がって、流瑠の方に回る。



でも流瑠も立ち上がってケータイを持つ手を高く上げて「ダメ、返さねぇ」とイジワルな顔で言った。






「ちょっと!流瑠!返してってば!」


「嫌だねー」






昔から私達はそう。



こうなれば、私はムキになり、

私がムキになると流瑠はもっとムキになる。

そして、流瑠がもっとムキになれば、私はもっともっと……




堂々巡り。




気が付けば、さっきまで好き。だの、どきどきする。だの、言っていたことも忘れて、流瑠といつもの様にやり合っていた。