急いで顔を洗って、歯磨きをする。


そして、芸術的な寝癖に水をつけたけど完全には直ってくれなくて…。





「…もういいや」





これ以上時間をロスすることは出来ない。


諦めて洗面所を出ようとした時、家のチャイムが鳴って、お母さんが玄関の扉を開けた。



洗面所から出ればそこは玄関へと続く廊下。


玄関でお母さんの隣に立つ人影と目が合って、





「あ、おはよう流瑠(ながる)!」


「なっ!?桜、…お前!」





挨拶をしただけなのに、幼なじみの流瑠はなぜかあたふたして、私から不自然に目を逸らせた。




え?私、なんか変?