トイレの中。 鏡の中の自分を見る。 薄く付けていたマスカラは今日の涙で、睫(まつげ)には全然残っていなかった。 目の周りに付いたそれを拭き取り、ふとバッグを覗く。 電源を切ったままの携帯 鳴る事を恐れたんじゃなくて、鳴らない現実を知ることを恐れて切ったそれは、静かに眠っていた。