幼なじみじゃイヤなんだ。

「え?」




びっくりして私は上坂くんを見上げる。

ジッとこっちを見下ろしている上坂くんが口を開いた。





「…駅は、反対方向だけど?」


「あ、あはは…そうなんだあ?ありがとう。ご、ごめんねーじゃぁ。行くね!バイバイ…」





そう言っているのに、上坂くんは、一向に腕を離してくれる気配はなく、ジッと私を見つめたままで、

その上無言。





「えぇっと?上坂くん?」


「なに?」


「いや・・・な、何って言うか・・・手を離して欲しいかなぁ・・・って言うか・・・」


「僕も駅の方に向かうから・・・」


「う、うん。じゃ、じゃぁさ、・・・取り敢えず手を離してもらっていいかな?・・・そ、そしてそれから一緒に行かない?・・・いいかな?」


「いいの?」


「え?」






上坂くんは腕を離すどころか、私のもう一方の腕も掴み、私の顔を覗きこんで言った。





「いいの?そんな顔で電車に乗って?」