「あれ?」




早苗の視線が私から離れて違う所を見つめる。


まるで不思議なものを見つめる様なその目に促されて、私も、早苗の目線の先にあるものに目を向けた。




「おはよう。相澤さん。北条さん」




知らない男の子が立っていた。




「「お、おはよう」」




たとえ知らない人でも挨拶をされたら返す。

そんなマニュアル通りの反応をした2人を見て、その彼はにっこり笑って私達から離れて行った。




「ねぇ!桜!あのイケメン誰なの??」

「し、知らないよ。でも…どっかで見た事ある気がしない?」




あの笑顔・・・?

どこかで・・・?



そのイケメンは教室の後ろに向かって歩いて行く。




「え?全然分かんない。ってか、クラスの女子、彼に見とれてるよ。どこのクラスの子?あんなイケメンが有名になってないのが不思議じゃない?なんで、なんで、あたし達の事知ってるの??」



どこかで・・・どこかで・・・あの笑顔・・・んー・・・?


















あ!!??

「あ───っ!!上坂くんだ!!上坂くんだよね?」