幼なじみじゃイヤなんだ。

「きちんと聞いてね。あなたは中学の時からの経験者かもしれないけれど、ボヤっとしてもらっちゃ困るわよ」


「はい!す、すみませんでした!」





ダメダメ、しっかりしなきゃ。




気合いを入れ直したけど、音合わせでも放課後の教室の自主練の様な音は出せなかった。




心が動揺してて、落ち着かないのが自分でも分かっていた。




でも、上坂くんが言ったことだけで私はこんなにも動揺してるのかな?


ほかに理由が?




そう考えれば流瑠の顔が浮かぶ。




そして、落ち着きのなくなる自分がいた。










* * *




「お疲れ様でした」


部員たちはみんな楽器を片付けて、帰る準備を始めている。





「桜ちゃん!」






声の方に振り向くと、同じフルート担当の、みのりちゃんがニコッと笑ってこっちを見てた。





「桜ちゃんに聞きたい事があって」


「うん?」





なんだろう。フルートのこと?





「大石くんの事なんだけれど…」


「あー」






そっちか…。





「大石くんと桜ちゃんって付き合ってるの?」





来た。また来た。






「ううん。違うよ」


「ほんとに?良かったぁ」


「……」


「じゃあさぁ?」






今度はなに?


『好きな子いるのかな?』かな?




それとも、意外と知りたい『星座・血液型』あたり聞いちゃう?




流瑠についての質問を聞かれるのは日常茶飯事。


だから、またか。と、余裕で構えていた私に彼女は、初めて耳にする質問をぶつけて来た。









「大石くんと雪見さんって付き合ってるの?」