幼なじみじゃイヤなんだ。

* * *



私はあの時、完全に動揺していた。



だって、上坂くんがあんなことをさらりと言うんだもん。


あの上坂くんが…だよ?





1ヶ月前は私のことを、ぼろぼろにけなしていたのに。




『可愛い』って言われたってもちろん動揺した。




それなのに、もっと、何か大人な響きのあんなことを言われちゃ、動揺も最上級。





流瑠にだって言ってもらったことがないよ。




って言うか、可愛いもないなぁ。


……流瑠が言う訳ないか。






「……でも、言って欲しいなぁ…」






って私、今、何考えた?


いや違う!


何を口走ったぁぁぁ???





「相澤さん」

「は、はいっ!」




目の前には先輩が立ちはだかっている。


私は今、クラス委員の仕事を終えて部活に出ていたところで。





今は、フルートのメンバーが集まって、音合わせをするための話し合いをしている最中で。

私は、上の空だった上に、訳の分からぬことを口走ってしまってた。