幼なじみじゃイヤなんだ。

「ありがとう。励ましてくれているの?」


「え?ううん。そんなんじゃないけど…」





上坂君が『真逆』とか自分を卑下(ひげ)するから。





「そんな優しい相澤さんだから、あんな綺麗な音が出せるんだね」


「ええっ!…やめてよ。優しくないって私!照れるよ」


「本当に綺麗な音色だった。だけど、あの時僕が言ったのは“音色”のことじゃないんだ」


「え?」






上坂くんはにっこり笑って言った。





「フルートを吹く相澤さんを『綺麗だな』って思ったんだ」





そんなことを、さらっと言ってのけた上坂くんは、もう私から目を逸らさなかった。





『綺麗だな』





生まれて初めて男の子に言われたその言葉。

外してくれないその目線。





今度は私の頬が熱を帯びてきた。