幼なじみじゃイヤなんだ。

私の机と流瑠の机を合わせて、上坂君は流瑠の椅子に座り、向かい合って作業を始める。





さっきから上坂くんはあまり喋らない。

最近はもう少し話しをしてくれる様になっていたのにな…。





やっぱり朝の事がひっかかってた私は、思い切って上坂くんに聞いてみた。





「あのさ。上坂くん?」

「え?」





上坂くんは一瞬顔を上げたけれど、また俯いてしまう。





「朝、言った事だけど…」


「…」


「何か、怒らせちゃったよね。でも、私は褒めたつもりだったんだ」


「えっ?」





びっくりした様に顔を上げて私を見た上坂くん。





「本当に笑った顔がいいと思ったの」


「……」





上坂くんは私から目を逸らせて、少し間をおいてから呟いた。





「…嬉しかったよ」


「えっ!良かったぁ…いやぁーてっきり怒らせたと思って心配してたの。そっかそっか、安心した」




ホッとして、一気に喋った私を見て、上坂くんが笑った。


その笑顔は、いつもの無表情な目からは想像出来ない程、優しそうな目で、


思わず私は上坂くんの顔を覗きこむ。





「前髪と眼鏡がその笑顔を隠してたんだね。出していけばいいのに。もったいないなぁ」


「いや。僕は性格が暗いってよく言われるから、出したら逆に気味悪がられるよ」