た、助けて!流瑠!何か怒らせたかも!!


そんなテレパシーが通じたのか通じなかったのか分からないけれど、





「…え?」





流瑠が、耳まで赤くなった上坂くんの顔を見て固まってる。


今度は上坂くんの方がビクッと反応した。





「…じゃあ。放課後よろしく…」





そう一言言い残して、自分の席に戻って行く上坂くん。





「桜、上坂に何言ったんだよ?」


「ええっと…別に怒らすつもりは無かったんだけど?」


「だから、何言ったんだよ?」




な、何で?流瑠まで怒った口調?





「『笑っている方がいいね』って言っただけだよ。」





流瑠の眉がぴくっ反応する。





「ふーん」





不機嫌な流瑠。





「ちょっと!何で流瑠まで怒ってんの?」


「…別に」


「怒ってんじゃん!」


「……」


「こ、答えてよ!」


「桜には100年掛かって分かんない理由だから言わない」


「はぁ?!言ってくれたらわ・か・り・ま・す!」


「たぶん言っても理解できねーよ」


「なっ!?バ、バカにしてるでしょ!」


「バカの方がましかもな。鈍感よりも」


「さっきから何よ!バカだの鈍感だの!流瑠はサッカーバカでしょうが!」


「……うるさい」






ここが教室だと言う事も忘れて、気付かない内に教室中の視線を浴びながら、
家なみの言い合いを繰り広げている最中に先生が教室に入って来た。


流瑠はまだ不機嫌なままで、私は怒り心頭なままでHRが始まった。