赤い狼と黒い兎



「玩具ぁ〜?」

「やっぱmoonってアブねぇ…」



なんて呟いた朱雀の、龍希って奴と総長の唯兎って奴。



「うるせぇ。アイツらはちょっとアレなんだよ」

「アレってなんだよ」

「だから…!」



すると、ガラガラッと音楽室のドアが開いた。

そこにはジャージ姿の深子がいた。

つうか…頭ぼっさぼさだな、オイ…。

ぜってー寝起きじゃねーか……。



「深子…?頭、大丈夫?」



加奈子姉さん、それちょっと言い方違いますよ…。



「んぁ…?ああ…うん…だいじょーぶ…」



完璧寝起きだ…!

よくここまでバイク運転して事故らずに来れたな!



「深子、磨子はどーした」



てくてくと覚束ない足取りで青夜のところに行き、すとんと膝に座ると欠伸を溢した。

……かわいいなオイ!



「磨子…朝起きたら…居なかった…」

「は?学校(ココ)にも来てねーぞ?」



そして深子はそのまま夢の国へ旅立ってしまった。



「磨子、どこ行ったんだ?」

「深子と一緒に居ないなんて…珍しいな」



…なんか、変な事件に巻き込まれてなきゃいいけど…。



「磨子の事だから、大丈夫…だと思いたいけど…」

「まっ、双子なら大丈夫でしょう!つうことで、せーや腹減った!」

「切り替え早ぇなお前…」