赤い狼と黒い兎



五月蝿い、うるさい、ウルサイ…。



『……死ね』

「てめぇも道ずれにして死んでやるよ!!!」



ポケットからバタフライナイフを出し、俺に向ける。



『…道ずれ?お前だけ死ね』

「オラァア!!!」



無鉄砲にナイフを振り回す。

掠りはしても、直接当たりはしない。



『…っづぁ!!』

「ギャハハッ!」



目に、刃が当たった…。

最悪だ。絶対見えなくなる…。

まぁ右目だからいいか。



「ボーッとしてんなよッ!」

『…してねぇよ』



嶽の降り下げたナイフを避け、俺のナイフが嶽の腕を掠った。