叫んだ後、意気消沈した館林先生は、手短に要件を言って去っていった。


そんなに独身なことを気にしてるのか…。


ていうか、館林先生出て行っちゃったけど、

最初の授業は日本史だからここに戻ってこないといけないんじゃ…。


そう思ったとき、教室のドアが勢いよくスライドして、誰かが姿を見せた。


「よし、諸君!授業だ!」


先ほどとは打って変わって、ご機嫌さを如実に表した笑顔を満面に浮かべた館林先生だった。

アンタが去ってから戻ってくるまでの約三分間に一体何があったんだ。


この疑問は訊くまでもなく


「いやぁー、さっき廊下で美波先生と会ってなあ。挨拶してもらったんだよ」


デレデレしながら勝手に語ってくれた。


美波先生とは
英語の教師で、たしかクォーターの美人さん。


そして


「美波先生のおかげで元気が出た。美波先生まじ女神だよな」


館林先生の想いの人。

つーか、現金だな。