「だから、いつも慌ててたんだ?」
「うん。アルバイト先に面接に行ったりさ。いろいろね。
高校生を雇ってくれるところってけっこう少なくてさ。
で、この間やっと正式に採用してくれるところ見つけて、働きはじめたってわけ」
「そうだったんだぁ。え、どこで働いてるの?」
すると、あやめちゃんはさらに声を潜めて。
「S駅前のホットドックのお店」
「え!?」
S駅周辺と言えば、この辺り一番の繁華街で、夜になれば煌々(こうこう)とネオンが光る街だ。
「大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。そんな遅くまで働いてないし」

