大輝はわたしのローファーを指差した。
「新しいのに変えたほうがいいな・・・・。」
「え?いーよー!!
まだ使えるし。」
しっかり否定しないと、大輝は無断で買ってくる。
そういう人なの。
「なに言ってんだ。雨の日、しみこむだろ。」
「ローファーは新品でもしみこむよ!」
わたしは気にせず
確かにぼろぼろなローファーに足を突っ込んだ。
「おい!」
「ありがと、大輝。
でも大丈夫。」
にっこりと笑うと
大輝は不服そうにしながらも、
言うのをやめてくれた。
「さ、行こ!」
わたしは大輝の腕に自分の腕を絡ませた。


