「・・・・・おい。」
そのイスの位置を見て
大輝の声色が変わる。
「ん~?」
でも、栄一くんは全く気にする様子がない。
すごい・・・・さすが、幼なじみ!!
「永山、大丈夫か?」
桐山くんがわたしたちと反対の窓側から大輝に呼びかける。
「あ、ああ・・・・たいしたことねえ。」
「そうか。よかった・・・・
永山が早く元気にならないと、倉持に笑顔ももどらないからな。」
「・・・・はあ?」
「え?」
「・・・・・ちっ。天然タラシ。」
ボソッと言った大輝の声は桐山くんには聞こえなかったみたい。
「大輝さん!みんな心配してるっすよ!
大輝さんがやられたのなんて、初めてっすから。」
「大丈夫だっつっとけ。」
「はい!
あ、そうだ。綾菜さん・・・・。」
「ん?」
「これ、持ってきたんすよ。」
そう言って、このまえおかずを渡すときに使ったタッパーを鞄から差し出す。
それを見て、大輝の眉間にしわがよっていたのに、わたしは気づかない。


