この教室からは、少しではあるが
ビルとビルの間から海が見える。
俺もそれが好きでよくここにくるんだ。
良さがわかる倉持の表情に
少し満足する。
「それより、おまえなにしてたんだよ?」
あんな団体に囲まれて。
「え?」
倉持はキョトンとして俺を振り返る。
「だから、なんで囲まれてたりしてたんだ?」
「別に、囲まれてたわけじゃないよ。
ちょっと話し合ってただけ。」
「変な嘘つくな。」
大勢対一人でまともな話し合いなんてできるわけがない。
そういうのを囲まれてるっていうんだよ。
倉持は黙っている。
こいつは本当にわかんねえ。
しょうもないことはペラペラ話すくせに
大事なことは全然話さない。
その口は煩悩か?


