歌い終わったのを見て
『なあ』
と話しかける。
「ん?」
次の曲はもちろんいれていない。
「おまえさ~、なんで急に告んなくなったの?」
「・・・え!?」
びっくりして、そして固まる。
ぱちぱちと瞬きをしながら
たぶん赤いであろう顔を俺に向ける。
暗くて、ちゃんと表情が見えない。
「だって、それは永山くんが言ったから。」
俺?
なんか言ったっけ?
「『そんな頻繁に好き好き言われると疲れるからやめろ』って言ったじゃん。」
「んなこと、言った?」
「言ったよ!!!だから、やめたの。」
俺が言ったからやめた?
今までの女子はこっちがいくら言っても
自分勝手に続けたけど
こいつは、やめたのか。
俺自身も覚えていないような言葉を
ちゃんと守ってたのか。


