「綾菜。」 上からつめたい声が降ってくる。 わたしはその主を見上げる。 大輝は、とても傷ついた顔をしていた。 殴ったのは大輝なのに とても痛そう。 そして苦しそう。 なにより、怒りに満ちていた。 「俺、知ってんだよ。」 低く、うなるように響く。 「徹平だけじゃない。 栄一も。 あの桐山とか言う兄弟も。 みんな、おまえに惚れてんだろ?」 ・・・・・っ なんでっ なんで、それを・・・・・