「お兄ちゃん、なに一人で頷いてるの~?」
「なんでもない。
俺、シャワー浴びるから!」
俺は逃げるように脱衣所に
早歩きで向かった。
逃げるように・・・てか、確実に逃げたんだけど。
『お兄ちゃんってお姉ちゃんのこと好きでしょう』
脱衣所で服を脱ぎ捨てながら
さっき胡桃に言われたことを考える。
そんな俺わかりやすい?
だって、俺、昨日は帰ってきてすぐに寝ちゃったんだぞ?
胡桃と会ってたのなんて数分間だけだ。
その間の俺の言動見て言ったんだとしたら、
その数分間で俺は綾菜さんを好きなような態度とってたってことだろう?
でも、正直昨日のことはあんまり覚えてないんだよな?
いや・・・・でも、そんな変なことはしてないはず。
そもそも・・・・
綾菜さんのことが気になってるって、それ好きとどう違うんだろう?
俺はやっぱり綾菜さんのこと好きなの?
だめだめだめ!!
それはだめだろ!?
綾菜さんは、大輝さんのものなんだ。
「大輝さんの・・・・。」
一人つぶやいて風呂場の引き戸を引いた。


