「なんだよ、それ。知らねえ。」
「え?されたことない?」
「だいたい、熱だした時にいつも母さんはいねえよ!」
少し怒ったような声。
え・・・・?
あ、そうか。
共働き、なんだっけ?
もう9時前なのに、まだ帰ってきてないし。
「兄ちゃんが看病してくれる。
でも、だいたいは一人で治す。
兄ちゃんは、家事しなきゃいけないし、学校だし。」
「胡桃も、熱でたとき一人で寝てるよ。」
当然とでも言うように
そんなことをにっこり笑って言う胡桃ちゃん。
雄太くんは、納得はいってないみたいだ。
熱だした小学生が一人で
家で寝てるなんて。
かわいそう・・・・。
でも、きっと、こんなこと思うのは失礼だ。
だから言わない。
もしかして、徹平くんがすごい熱なのに
あんなに遠慮したり、心配するわたしを不思議そうに見ていたのは
こんな環境で育ったから?
熱をだしても、一人でいるのが普通だったからなの?


