『兄ちゃ~ん!?』
雄太が呼んでる。
「ごめん。」
『どうしたの?なんかあったの?』
「いや、なんもないんだ。」
綾菜さんが隣ですっげえ睨んでる。
でも、あえて見ないふり。
「とにかく、すぐに帰るから待ってろ!いいな?」
『うん。でも、潤太郎(じゅんたろう)が腹減ったって。』
潤太郎は幼稚園に通ってて今4歳の一番下。
雄太と潤太郎の間に胡桃(くるみ)という小3の妹がいる。
上から、徹平、雄太、胡桃、潤太郎という具合だ。
「じゃあ、冷蔵庫にプリンあるからそれ食わしとけ。」
『俺のは?』
「おまえも食っていいから。胡桃にもやれよ。」
『わかった。』
「じゃあな。もうちょっと待ってろ。」
『うん、バイバイ。』
電話を切ってベットから出ようとすると
綾菜さんが立ちはだかる。
「本気で帰る気?」
「はい。俺が帰らないと。」
「・・・・。」
なにも言わない。
考えているようにも見える。


